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アンチCNNサイト   

中国で「反CNN」というサイトが話題になっているらしい。
西側の偏った報道に憤った、大学を卒業したばかりの男性が開設したサイトだそうで、冒頭に、「これは事実の歪曲や客観性のない報道を暴きだす目的で開設した、民間の非商業、非政府サイトである」とする趣旨を掲げ、西側メディアの報道の誤りを指摘。(要するに揚げ足取り)
中国の新聞各紙で取り上げられ、中国外務省の秦剛副報道局長も27日の会見で「職業道徳に背いた報道に与えられた自発的な非難、批判だ」と支持したそうです。

これに対しサンケイでは、厳しい情報統制で海外メディアにほとんどアクセスできない状態の中で、彼がなぜこれだけの情報を集めることができたのか、これは“半官製サイト”ではないかと、北京駐在の外国人記者の間から疑問視する声があがっていることを伝えています。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080327/chn0803272151008-n1.htm

一般の中国人からしてみれば、政府が統制した情報しか入ってこないわけで、チベットで暴力的な粛清が行われていると言われても信じることができないかもしれないとは思うのですが、この件に関しては自作自演じゃないかと思っています。
報道によるとサイトができたのは3/20、知人に聞いたところではその頃中国では情報統制の真っ只中、ネット速度の接続速度はモデム回線並だったそうです。おまけにBBCやYOUTUBEにはアクセス不能、TVもNHK等の海外放送はチベットやオリンピックのボイコットに関連することは全て画面が真っ黒になっていた状態で、一般の中国人たちは海外メディアがどんな報道をしているか知りようがなかったはずですから、反感の抱きようもないわけで、仮にこういうサイトができたとしても短期間で注目を集めるとは考えづらい。
ところがその3日後の23日には国営新華社通信が大きく取り上げているんです。これは胡散臭い。

ちなみにアンチCNNに関する秦剛副報道局長の会見の内容はこんな感じです。
そのすぐ後の、ラモチェ(小昭寺)にて僧侶が餓死したと言われる件についての質疑応答の内容もすごい論理展開だったので、ここで一緒に紹介させていただきます。

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Q:CNNなどの一部の海外メディアによるチベット問題に関する誤報道を批判している、アンチCNNという民間サイトのことをご存知かと思いますが、このサイトを支持しますか?
中国政府はこのサイトに資金等の面で援助しているのではないですか?

A:これは一種の社会現象であり、お集まりのメディアの方々もこの件については反省すべきです。
また、政府がこのサイトにかかわっているのではないかとのご質問ですが、西側メディアの報道を見てください。これらのできごとも中国政府が扇動したものですか?
これは中国の各界の人々による、これらの無責任で、職業倫理に反した不道徳な報道に対する自発的な批判によるものです。
ラサ事件はすでに終わりました。我々の国家もチベットも今後さらに良いものとなります。
但しこのラサ事件は中国の多くの人々に教訓をもたらしました。これは国際社会のある人々の真実の姿を映し出す鏡のようなものです。一種の反面教師のようなものであり、一部の西側メディアが唱えるところのいわゆる「公正」とか「客観」がなんなのかを、中国国民に教えています。ラサ事件は不幸な事件でした。ただ、仮にその中に良いこととを見出そうとするならば、このことがあげられると思います。


Q:DPAの報道によると、中国公安部がラサのラモチェを封鎖したため、寺では食料が供給されなくなり、僧侶の一人が餓死したとのことですが、この件について教えてください。

A:具体的な状況は分かりませんが、私に言えることはチベットは発展を続けており、チベットの僧侶と各民族の人々は同様に、法の下で彼らの権利と自由を、またすばらしい生活を享受することができます。今のチベットはすでに、中世ヨーロッパよりももっと暗く残酷であった農奴制度の時代とは違います。それがどこからの情報なのかは分かりませんが、私にはそのようなことがあったとは信じられません。DPAは一体どこからそのような情報を得たのでしょうか?確認してみてください。

Q:DPAの記者です。我々は現状、中国の関係機関よりほとんど情報が得られないため、やむを得ず一部の亡命チベット人から情報を得ている状態です。現地政府より関連する情報を得て、客観的な報道をしたいのですが、それが難しい状況にあります。

A:例えば餓えた人が食べ物を買うお金がないからといって、盗んだり、強盗したり、あるいは銀行強盗をしてもいいのでしょうか?あなたの言っている事は強盗と同じようなロジックです。

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この脅迫めいた強気の発言は何なのでしょうか?なんか暗黙の了解があるんでしょうね。それが知りたい、、、

# by chy9929 | 2008-03-29 16:59 | チベットのこと

チベットのこと   

1995年夏友達に誘われ、初めてチベットに行きました。
当時は本当に不勉強で、行くまではチベットのことをほとんど何も知らなかったのですが、そこでチベットの人たちが漢民族に好意的でないこと、かつてチベットの文化物が中国の手によって徹底的に破壊されたりしたことなどを知りました。
そして旅行者の目から見ても、自由が制限されているという実感がありました。

まず外国人がチベットに入るには、パーミッションが必要でかなりの金額を払わなければなりませんでした。
なんとかそのお金を節約しようと努力している旅行者の人たちにも会いましたが、見つかると相当な罰金を取られる上に、バスの運転手が罰せられ、乗員全員毎バスは出発地に引き返さないといけないという厳しさで、みんな結構苦労していたようです。

またその年はパンチェン・ラマの件で大規模なデモ等があったそうで、ラサ以外の都市に行くことができませんでした。(私が行く少し前まで入境許可自体がおりなかったそうです。)

帰国してから何冊かチベット関連の本を読み、そこに描かれた内容の悲惨さに胸のふさがる思いをしたのを良く覚えています。
新聞にあったチベット関連のある記事の内容が、あまりにも自分が読んだ本の内容と違うので疑問を感じ投書したところ、記者の方が返事をくださり、中国関連の報道に関してはいろいろと中国当局からの規制があり、自由に記事を書くことができないことを教えてくれました。

購読している新聞の方針にもよると思うのですが、今回の報道を見ていてもあまりにも不透明で、いろんなことが伝わらないのではないかと感じています。

# by chy9929 | 2008-03-29 14:48 | チベットのこと